温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「スカーレット」 第95話 喜美子たち、これで大丈夫なんだよね?

ついに穴窯の製作に取り掛かり、喜美子の陶芸家への道が本格的に動き出した。

ああ、このまま川原夫妻は続いていくと思っていいんだよね?


以前から気配はあったけれども、年明けからの展開はずっとハラハラしていた。

夫婦である事と同業者である事の折り合いのつかなさが生々しくて辛かった。

喜美子と八郎はお互いに相手の事を大切に思っているし、それぞれのものづくりへの思いも強い。なのに、資質の違いや考え方の違い、そして普段の生活が積み重なってのズレが大きくなっていた。

傍目から見れば、喜美子は天才肌で直感的にものづくりをするタイプ、八郎は積み重ねた研究が向いていて、喜美子は作家向き、八郎は職人向きなのだが、この時代の「夫が主で妻が支える」という一般的な考えに囚われていて、そこに上手く進まない事が大きな原因だった。

自然に出来てしまうからこそ自分の天才性に気づかない喜美子と、製作に行き詰まり自分が作家に向いてない事に気づきながら家長としての責任もあってそれを認められず、喜美子の才能に怯える八郎。

芸術と実用品、どちらが上ということではないのに、結婚前常治に誓った「5万円の湯呑みを作る」という自分の言葉に縛られているのだ。

もう見ている方が辛かった。


そこに松永三津という第三者が入る事で、「もしや崩壊が決定的になるのでは?」と怯える視聴者がたくさん出た。

こういうネタバレを上げる人は無くならないなーと残念に思っていたのだけど、喜美子のモデルとされている人は同業の夫が弟子の女性と不倫関係になり離婚してるのだそうだ。

それを踏まえたうえでの三津の登場は確かに不安。

三津は喜美子と似た行動力のある女性ながら、才能のある恋人を見ているのが辛くなって別れてしまったという八郎側の人間で、明らかに八郎に共感している。これは恋になってしまうには充分だ。実際、三津が八郎に好意があるのははっきり分かる。

けれども、この脚本家がそんな安易な展開をそのまま拾うとは思えないし、と様子を伺いながら見続けてきて、ここに来てやっと先が開けてきた。


八郎は三津の話からヒントを得て、実用品を作る事に舵を切り、室町の信楽焼の色を再現してみたい喜美子の背中を押す。

芸術が成り立つのは平和な世の中だから。またいつ戦争が起こるかわからない、やりたい事はやりたい時にやろう、と。

うん、八郎はやっぱりいい男だった。

三津と関わった事で視野が広がり、それでいて喜美子との結婚前のように妙齢の女性に対しての距離はきちんと取る。

結婚前は喜美子を「川原さん」と呼んでいたように「松永さん」と呼び続ける。あくまでも弟子であって、八郎にとっての「女の子」ではないと。

八郎が注文を受け生活を支え、喜美子はお金がかかる穴窯作りに挑戦する。

以前とは逆の立ち位置になって川原夫妻は再出発した。

うん、もう大丈夫!良かったよ〜。

 

この生活と才能と仕事のくだりを丁寧に描いていて、自分はとても面白かったのだけど、視聴率があまり上がらないのもわかるなと思った。

朝ドラの視聴者はながら見派も多いからわかりやすく派手な展開を好む人は多いだろうし、そういう人は「スカーレット」のあえて結婚出産という大きな出来事をサラッと流し、そこまでの経緯や普段の生活の中で感じる事を丁寧に描くやり方は退屈なんだろうと思う。

そしてこの夫婦でありライバルである関係というのは、一般の夫婦では多くないから関心が持てない人もいるのもある。

けれど自分はこういう「スカーレット」がやっぱり好きだし、いいドラマだと思う。

このところの川原夫妻のヒリヒリとバランスを取るように、信作と百合子の恋物語が上手く挟み込まれていてすごくいい。

前から信作が好意を示してるのに対し、気づかないのか流してるのか絶妙な百合子が、信作と結婚を考えてもいいと思った理由が、百合子の赤松通いが亡き父常治を思ってのことだというのに信作が気づいていたからというのがうっときた。

人が人を受け入れるきっかけって、こういう何か一ヶ所、でも大事なポイントが通じたからだというのはすごくわかる。脚本家はよく見てるんだなと思った。

そして信作の林遣都は本当に上手いな。

「べっぴんさん」のときは全然印象に残らなかったのだけど、信作の一見頼りないけど、繊細で心優しく周りの人をとてもよく見ている様が素晴らしい。コメディ担当の加減もやり過ぎることなく絶妙で、登場するたびに感心してしまう。いい俳優だなー。

 

川原夫妻が「夫が主で妻が支える」の呪縛から逃れ関係を立て直した以上、三津はもういられなくなるんだろうか。

百合子と同じ年で気も合っていたけど、当初よく話していた昔の恋人の話をしなくなり、八郎への気持ちは弟子としてのものでは無くなっているから仕方ないんだろう。

三津がどう信楽から旅立つのか、この脚本家なら納得の展開を見せてくれると思う。

 

やっと中にあるものを出す決意をした喜美子がこれからどうなるか、まだまだ楽しみ。

稲垣吾郎出演も発表されたし、もう少し視聴率上がるといいな。

こんなにいいドラマなのに視聴率が低いというだけで否定されるのは残念だから。

 

「麒麟がくる」 第1話 大河ドラマとは?の王道をあえて行く感じ

トラブルを乗り越え、やっと放送「麒麟がくる」第1話。

さてさてどうなるかなー?とドキドキして視聴。

おー、これぞ大河ドラマ!というスタートでしたね。

 

青々した田んぼに降り立つ明智十兵衛光秀の長谷川博己

広々した画面に鮮やかな着物が……うん、目に痛い💧

いやー、この画面の配色には賛否分かれてますね。着物が鮮やかなのは当時はけっこうこんな感じなのだそうで、そうなのかーと思うけど、田んぼのシーンは正直見辛かった。

だって「青々とした田んぼ」に見えたけど、もう実って一部刈ってる田んぼなのに「青々」に感じるんだもんなー。

4K放送に合わせてなので、4Kで見れば落ち着いた色だという記事も見たけど、世の中の大半はまだ4Kではないでしょ。

全体にスカッと軽い画面に見えてちょっと残念。

後半は落ち着いた画面も多かったので、おそらく光秀の若さとリンクさせた田んぼのシーンなんだろうけど、戦闘シーンの目線のカメラが臨場感というよりバラエティっぽく感じたりと、若さより軽さの印象か強かった。

そういえば衣装は黒澤和子だそうですが、この人ですらいまだに「故黒澤明の娘」とつけられてしまうのかー怖いなと思いました。

 

と、滑り出しは心配になったのですが、結構楽しく見れました。

帰蝶役の川口春奈は出番はまだ少なく、乗馬シーンは背中だけで吹き替えなんだろうなーと思ったり。当初は初回2時間と発表されてたのを1時間半になったのは帰蝶のシーンを削ったのでしょう。

そんなに帰蝶のシーンあったのかと思ったけど、2時間だと間延びする可能性もあったし1時間半で集中できて逆に良かったのかも。

 

長谷川博己は若さを感じさせる演技でホッとする。落ち着いた印象の人なのでどうかなと思ったけど、動きも出来るし大柄なのはこういうコスチュームプレイでは見栄えが良くていいですね。

そして本木雅弘はやっぱり男前なんだなーと。「端正」というのはこういう人に使うんでしょうね。

今回まむしが本木雅弘なのを筆頭に、信長の染谷将太、秀吉の佐々木蔵之介、家康の風間俊介と、通常イメージの逆張りなキャスティングが多くて、それは「逆臣」イメージの光秀を一新する心意気の証明なんだなと楽しみ。

 

内容も合戦シーンもありの王道大河にしながら、荒れた室町末期をちゃんと描こうとしていて面白そう。

光秀が堺への旅の途中、変に主人公ぶって売られてく人を助けようとかしたらどうしようかと思ったし。

 

視聴率もよかったそうですが、結局は「大河=戦国時代」という刷り込みの高齢者が戻ったというのが大きいようなので、果たしてこれは新しい視聴者を引き寄せることになるのかしら?と疑問。

もっとも「4K」とかお金かかるようなもの、どっちにしても若い世代は興味ないのかもね。

事前の番宣番組で、今までの59作で23人の家康役がいると言っていて、そんなに戦国時代ばっかりなのかと驚く。

そして信長、秀吉と同数じゃないのも地味に驚く。三英傑はセット出演ではないのね。

 

まあ、すごーく食いつくわけではないけど、ヒキは充分、とりあえずは次回も見ます。

通常の45分をどう見せるかに興味あるしね。

AI 美空ひばりって、結局のところ似てないよね?

晦日、世間をざわつかせた紅白での「AI 美空ひばり」登場。

もうばっきり賛否が分かれてますね。

ちょっと時間が経ったので落ち着いたかなーと思いきや、ラジオで山下達郎が「冒涜です」とバッサリやったそうで、また話題になってます。

自分は紅白をながら見しただけですが、確かにずっと引っかかっていたのでちょっと思うところを書いてみる。

 

亡くなった人を勝手に再現して言葉まで喋らせるという事に対する倫理面がどうなのか?ということと、あくまでも技術の進歩として凄いから見せるのはいいんじゃないと意見は色々。

自分はその前にやってたNHKスペシャルも見てないので、美空ひばりに対してよりAI技術についての方が興味あって、「どのくらいの再現度なのかなー?」となんとなく思ってたくらい。

 

で、聴いた歌は「え?この程度??」というのが最初の感想。

自分は美空ひばりは懐かし歌番組とかで見た程度だけど、母親が以前ベスト盤を買って延々と聴いてたことがあってある程度はわかる。

で確かに声は似てる気がするけど、音を伸ばした所とか、所々いかにも合成音っぽいとこがあってボーカロイド感は拭えなかった。

そしてなんの感情も入ってない感じでひっかかりのない曲だなーと思った。インパクトが無いというか。

ちょうど初めてたけしの歌をちゃんと聴いて、「あー、歌は技術じゃないってこういうことかー」と感動したのと逆。

歌というより音だった。良くも悪くも機械音。

美空ひばりファンの人達は間奏部分の語りに腹立てたようだけど、自分はそこまで思い入れないので、「そんなことまでするのかー」とさほど関心もなかった。

 

と、歌は全くいいとは思わなかったけど、それよりももっと自分が気になったのは映像のほう。

全く似てなくない?「こんな顔だっけ??」と思ったよ。

映像の動きもぎこちなかったけど、何より顔が似てないじゃん!というのがモヤっとした。

倫理とか云々より、歌も映像もこのレベルでよく得意げに出したなーと。

 

数年前、マツコロイドというのが良くテレビに出ていた。

有名人そっくりのアンドロイドを作ってる研究者がいて宣伝も兼ねてあちこちに出して、ドッキリなんかにも使ってたけど嫌いだった。

だって似てなかったし。

マツコ本人はまあ大人だから「似てるわー、凄い」と褒めてたけど、並んで出てしまえば似てないのがますますよくわかる。

人間って、結局一番知ってるのが自分の顔なので、似顔絵とかもそうだけど作った人に絶対似るんだよね。

マツコロイドも、一緒に研究者の人が出るとその人の顔に似てるのがすごくわかって気持ち悪かった。

AI美空ひばりも、既存の映像をデータして平均取ったりしてるんだろうけど、そこに製作した人間の主観が入っていて、それであんな似てない顔になったんだと思ったら、そのあたりにすごく自己顕示欲を感じて気持ち悪いなーと思った。

 

倫理面でも問題無いとは思わないけど、それ以前にあんな出来の悪いの作って、それこそ美空ひばりに失礼だよなーと思う。

だから山下達郎は「冒涜です」って言ったんだろうな。

また秋元が出張ったとか、息子が金に困ってるとかあれこれ言われてたけど、研究としてはありだし面白いものだと思う。

けど、あれはやっぱり美空ひばりでは全く無いよね。

もっとクオリティ上げてから出してきて!

 

「おしん」第245話 結局おしんも普通の母親だったよ……

結婚と新店舗の件であれだけ仁を怒ったおしん

さて、いったいここからどう懐柔されてくのか大変そうだーと思ったら、意外とあっさり進んでしまった。

希望から、仁が店を大きくしたいのはおしんに楽させてやりたいからと手紙を貰って満更でも無いおしん。あーあ……。

人間、どんなに辛い人生を送ってきても、自分が逆の立場になればそんなことサクッと棚に上げてしまうんだなぁと、何度も思わされてきたけれど、おしんですらその罠にハマってしまうのね。

 

結局、道子とその父が来る事を受け入れて「子供なんて思うように育たない」と初子に愚痴るおしん

自分は親に逆らって生きてきたのに(そりゃかーちゃんの為というのはあったけど)仁のやる事が自分と合わなければ気に入らない。なのに結局は実の息子が可愛くて許してしまう。

そしておしんに尽くすように働く初子に向かって子供の愚痴をこぼす恐ろしさ。やっぱりおしんは気づいてないけど、実子の仁達と初子や希望への態度や望みが違う。怖いわ。

 

そしてあれだけ佐賀で姑にいじめられたのに、会った時から未来の嫁道子の何もかもが気に入らない。あああ。

おしんの時代は女子へのしつけは厳しかったし、おしんはキチンとしつけられた名家のお嬢さんしか知らないけど、道子は成金の娘、しかも上に男3人のひとり娘。気が利かないのもワガママなのも道子だけのせいじゃないのに。

で、道子の父親がいかにもな長門裕之でねー。

いや、多分こういう押しが強くて目端のきく人でないと生き抜けない時代なんだと思うし、そういうところはおしんと似てるんだと思う。

けども、おしんの好みは浩太とか竜三とかの甘え上手なボンボンだからなぁ。こういうタイプは嫌いだよね。

あー、そうね仁も甘え上手なんだなぁ。おしんも結局折れるし。

 

しかし、橋田先生お得意の嫁姑バトルが始まりそうだがホント奥深い。

おしんの母のふじだって、本来おっとりだしばんちゃんは優しい人だったのに、長男の嫁のおとらとは全く合わずばちばちだったし、こればっかりは相性なんだろうなぁ。

おしん、生臭いよう〜!

面白いけど。

「テセウスの船」第1話 とりあえず先は気になっちゃうよね、やっぱり

医療物と警察物ばかりの1月ドラマの中、好きだけどさすがに食傷気味だなーと思っているので、そうじゃないというだけで逆に有利かもという、日曜劇場「テセウスの船」。

ということで見てみましたが、そもそもミステリーなんだよね。警察物の1話完結のスッキリ感はなくても、通しの謎解きがあるという点では同じなのかな?そんなにジャンル違いとは言えないかも。

特に出演者には食いつきがないので、単純にドラマに惹かれなければ1話脱落もありかな。

 

で、感想。

ツッコミどころは満載。とはいえ謎解きをどうまとめるかは気になるので多分最後まで見る。それくらいの引き込み力は充分にあります。

 

平成元年に起きた大量殺人事件。その容疑者の息子として事件後に生まれた主人公心。

身を隠すように生きてきたが、自身が父親になったのを機に無実を訴える父を信じて調べてみようと事件現場を訪ねる。

すると霧に包まれ、気づくと事件前の村にタイムスリップしていた。若い頃の両親に会った心は事件を阻止しようと動き出す。

 

……とまあ、フリはありがちです。

そしてタイムスリップの適当さもつい突っ込む。こういう現実に無い設定をどう違和感なく視聴者に納得させるかでつかみが決まると思うんだけどねー。

そして細かいところがご都合で雑。

ツイッターでもめちゃくちゃ突っ込まれてましたが、令和段階での母和子の榮倉奈々の老けメイクの酷さ。メイクの出来も酷いし、榮倉奈々の演技もまるで老けが出来てなくてほぼコント。チラッと映った父文吾の鈴木亮平の老けメイクも同じく。今時このレベルは酷いわ。

閉鎖的な過疎の村に突然現れた余所者の青年心に対して若い和子がいきなりフレンドリーなのも都合良すぎ。娘を助けてもらったとはいえ、身分すら明かさない若い男を、小さい子を抱えた駐在の妻が何も疑わず家に泊めるのはどうなんだ?

こういうタイムスリップ物の場合、お金や身分証が使えないので現地での協力者が必要なんだけど、その成り行きが強引でちょっと雑。

 

現場の音臼村では大量殺人事件の前から小さい時間がいくつも起きていて、それを知っている心はそれらを解決することで文吾が本当に犯人がどうかが分かるのではと思い行動するのだけど、それがまた雑で「疑ってください」と言わんばかり。

まあ、突然のタイムスリップで何も計画してたわけでもないし、行動が行き当たりばったりなのも仕方ないんだけど、そのへんの加減もちょっとやりすぎ。

 

そして、メインの文吾の事件。

事件後に生まれた心は父文吾に会ったことがなく、父親というより母や家族を苦しめた男という認識しかない。若い文吾と顔を合わせ、いきなり警戒した態度を取ってしまう。

そして文吾を疑いながら事件を防ごうとするが、行方不明の女の子を命をかけて救おうとする文吾を見て、信じようという気持ちになる。

初回のクライマックスはこの、文吾を命がけで助けて自分の父親を信じたいという気持ちを心が自覚するところ。

まあ、ぶっちゃけ、これで文吾が大量殺人事件の本当の犯人ならドラマにならない訳で、そうではない事を証明し、事件を防ぐか真犯人を突き止める方向に行くのは明確な訳ですよ。

なので、初回の文吾はとにかく怪しい動きをし続けて、多少なりともミステリーを見てる視聴者なら怪しいシーンがあればある程「違うんだね」と思う訳です。で、それをどう説明つけるのかな?というのを期待して見るんですよね。

そういう点ではこのドラマが原作ありなのは安心できる。

自分は見てないのであれこれは言いたくないのだけど、昨年話題の「あなたの番です」は、のちに製作側が、考察合戦になってるのを見てそれから展開を変えていたと明かしていて、自分はミステリーとしてそれは反則だと思うし、好きじゃない。それってクイズを出して答えを聞いてから問題を変えるのと近いと思うし。

自分はキチンと練られた謎解きを楽しみたいし、ネタドラマではなくミステリードラマが見たいのでこういう場合は原作があるのは信用できる。

特にミステリーでありタイムパラドックス物なので、その落とし所こそが見せ場になる訳だし。

と言っても、その文吾を助けるシーンもありがちな、崖から腕一本で引き上げるという、現実には絶対無理やろ!とツッコむシーンになっていて、なんでこれ連発するだろうなぁと毎度思う。

いくら竹内涼真がデカくても、鈴木亮平を片手で引き上げるとかありえないでしょ!しかも雪積もってるし。

あ、このシーン見てて、「このまま文吾を見捨てて死なせてしまえば、少なくとも心は『殺人犯の家族』として生きなくて済むし、それどころか『子供を助けて殉職した英雄』の息子になれるんだけど、それじゃダメなんだろうなー、『ヒューマン』ミステリーだしなー、初回で終わっちゃうし」と思ってしまいました(笑)

あとはタイムパラドックスの処理は興味ある。

心は「過去は変えられる」と認識したので、事件自体を防ぐ可能性も高いし、令和で亡くなってしまった、心の妻が生きている未来もあるかも。まずは令和でも出ている心の姉鈴の顔のアザがなくなった件をどうするのかが気になるな。

 

あとは、霜降せいやとか今野浩喜とか、このドラマに限らずだけど芸人って入れないとダメなの?

ジャニーズもだけど吉本も俳優としていい人はもちろんたくさんいるんだけど、この所の大手事務所の露骨なやり方が目立ち過ぎてちょっと冷める。別にせいやは悪くはなかったし(まださほど出てないけど)、意外とせいや目当てで見たというツイートも多かったから、若年層の掘り起こしとしては有効なんだろうけどね。月9には粗品もいるそうだし。

 

絵面としてはやっぱり鈴木亮平がデカイ!(笑)

駐在所の中で鈴木亮平竹内涼真と村人の竜星涼が揉めるシーンで、建物の外からのカットで3人とも頭が切れてて笑った。

大きいってのはインパクトありますね。

テセウスの船」とは何かを頭の方で説明があるんだけど、そのナレーションがちょっとバラエティっぽくて浮いた印象。これ毎週入るとしたら邪魔かもなー。

 

と、散々ツッコミましたが、印象は悪くないです。

ツッコミどころは多いのだけど、テンポよくエピソードを重ねてくるので、そのスピードに巻き込まれていってつい見てしまうパワーがある。ツッコミ自体も「無いよ!」というほどではなく、ギリ納得できるレベルだし。

そう、原作はマンガなんですね。小説かと思ってた。このテンポで進んで1クール引っ張れるの?と思ったけど、10巻あるそうなのでだいじょうぶかな。

俳優陣も雪が積もる中大変な撮影で頑張ってんなーって感じだし。

 

日曜劇場は40〜50代男性向けで、見て元気出して明日から1週間働くぞーという内容が視聴率を取るので(常盤貴子主演の『グットワイフ』は内容悪く無いけど低かった)、そういう意味で高視聴率は厳しいのかもしれないし、トラブルのせいで「麒麟がくる」と放送重なっちゃった不運もあるけど、例えば低くてもぶれずに進んで欲しいかな。

とにかく、どう落とすのか、それを知りたいから見続けると思います。

 

 

「おしん」〜243話 次のクズ男は息子の仁かぁ…

おしんも55歳。

あの時代に自分で道を切り開いた新しい女だったはずのおしんも歳を重ねて保守的になってくる。

魚屋より大きな商売をしたい仁と、今のままお客様に向き合う商売を続けるべきというおしんの意見が合わない。

そんな折、仁と住込み店員の百合が男女の仲であることに初子が気づき、おしんに話す。

2人は仁と百合が結婚するものと思って喜ぶが、仁は金持ちの娘道子と結婚すると言い出す。そしていづらくなった百合は店を出て、陶芸修行中の希望を頼り、住込みで手伝いをする事になる。

 

うん、出ましたクズ男。今度は仁ですかー。ほんっとに「おしん」に出てくる男はクズばっかりですなー💧

母1人子1人の幼少期を過ごしたために母親思いの優等生だった雄や、実子でない希望や初子に比べ、子供のころからワガママなところがあった仁。さらに口では大きい事ばかり言うけど行動が伴わない。

それでも竜三に似たのか女性にはモテるようで、東京で百貨店勤務に挫折して行方をくらましていた時には女性の家に転がり込んでいた。

道子とはスキー場で知り合い、すでに相手の親にも気に入られている。

それなのに百合との関係も続けていたとか、バカなのか⁉︎

 

道子の親に出資してもらい店を大きくしたい仁は「百合が自分と一緒になりたいならそう母さんに言えばいい。他に結婚したい女がいるけど百合がどうしてもというなら諦める。百合を傷つけた責任は取る。一生魚屋で終わってもそれは身から出たサビだ」と百合が身を引かざるを得ないように追い込む。

清々しいほどのクズ!

同じ家に暮らしてる女の子に手を出して後で揉めるかもという想像が働かない、目の前の事しか見えない、もう既に経営者に不向きな様子がしっかり出ている。

 

と、仁がクズなのは当然として、おしんも歳を取りエゴな面もちゃんと描かれる。

田倉商店は川村の譲ってくれた地所のおかげで繁盛し、住込みの百合の他にも店員を2人雇うくらいの規模になった。

百合の事をいい子だと可愛がり、希望に「ああいう子好きなんじゃないかい」と茶化しておきながら、初子から仁と百合の関係を聞くと「いい縁談が色々あったのに百合なんかと」とガッカリする。

その後初子にたしなめられ2人のことを納得するが、仁が道子との事を話すと打って変わって「百合を傷つけた責任をとれ」と怒る。

そもそも初子が百合を可愛がるのは自分と境遇が似てるのもある。違うのは田倉に来たのが8歳と17歳と言うところくらい。

それなのにおしんは初子を娘として可愛がりながら、百合はあくまでも使用人。

希望には勧めておきながら、跡取り仁の嫁としては不満を持つ。

スーパーヒロインおしんですら、実子とそうでない子に対して、無意識に差別が出ている。

うーん、人間ってしょうがない。

 

とは言え、おしんは商売についてはまだまだセンスがある。

仁があまりに言うレジ式について、講習会に参加してみる柔軟さもある。

今は結婚の件で親子の関係が硬直しているが、先々スーパーにして成功し、冒頭の様子からして仁の力だけでなくおしんの尽力があったからこそなのだろうというのもわかる。

いったいここからおしんがどうやって仁と道子の結婚を認めたのかが想像できない。

そして、あれだけ姑に苦労したおしんが姑になったらやっぱり嫁が気に食わないのは皮肉。

道子の人格以前に、結婚までの過程でもう溝が出来ている。

 

そして百合。

他に行き場がないとは言え、希望を頼り、希望の師匠のところで雇ってもらう。

このなんとなーく感じるいやらしさがなぁ。まあ手に職の無い女性が1人で生きるには水商売しかない時代、男性にすがるしかないんですけどね。仁とのことで田倉にいられないと家を出たのに希望に甘えるか?

おしんが「ああいう子好きなんじゃないの」というフリはおそらくこの先の仁と希望の関係に出てくるんだろう。

冒頭の中年期では仁と希望はかなり疎遠になっている様子だったのに、ここまでのところ希望がおっとりしてるのもあって、仁と希望は仲は良かった。

この先百合が希望の妻になるとしたら、その疎遠の理由もわかる気がする。

あー、このドロドロっぷりが怖いわー。

橋田先生は容赦ないよね。

まだ田倉はスーパーにもなってないし、これからもまだ目が離せません!

 

「ACTION」の脚本家のグチが面白かったんですけども……

相変わらず評判はさほどでもないらしいTBSラジオの「ACTION」ですが、自分は結構好きです。

特に月曜は宮藤官九郎がパーソナリティなので楽しみにしてます。

 

で、レギュラーで「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど」というゲストコーナーがあるんだけどそれが結構好き。

毎回あるテーマ(大抵は仕事)に沿ったゲストが3人来てそのテーマについてグチをこぼすというもの。

有名人とかじゃない普通の人の仕事のグチでも面白いんですよね。

が、今週は「脚本家のグチ」だったんですよ。

普段はそのテーマについて全く知らなかったりするからこそ「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど」と題してるのだけど、今回はそうはいかない宮藤官九郎の本業。さてどうなるか?

 

登場したのは32歳男性、39歳女性、40歳男性の3人。キャリアは11〜12年。業界的にはやっぱり若手なんですかね。

普段のゲストは身バレしないように仮名を名乗り具体的な事は言わないんだけど、今回の脚本家さん達はどうやら身バレOKらしい。

3人とも下の名前を名乗り、代表作をざっくり説明。それですぐわかる。

何しろ代表作が「おっさん同士が恋に落ちるドラマ」とか紹介してますから(笑)

 

そんな状況なのになかなかにぶっちゃけてくれるので大変面白く聴いた。

特にギャラなどの待遇面は、まだテレビ業界が景気のいい時代にデビューして売れているクドカンと視聴率取れない時代になってからの3人とでは結構違う。

今は深夜の連ドラでも複数人の脚本家が入るのは普通だけど、クドカンはそういう仕事の入り方はした事ないそうだ。作風もあるのかな?

「ざっくり聞いた話では宮藤さんのギャラが私の4倍だなーって」という人もいて生々しい。

 

そして「ベテランが居座ってる、若手にチャンスを」と思い切ったぶっちゃけも出てきた。

クドカンみたいに一般人にも知名度があるというのではなく、業界的にベテランで知られてる人ばかりに仕事が回っていて、しかも面白くない。だったら若手にチャンスをくれ、と。

それを聴いていて「うん、まあわかるよー、そういう問題はどこのクリエイティブ業界でもあるよね」と同意しつつもどんどんモヤモヤしてくる。

「気持ちはわかるけど、おまいう案件じゃん……」

 

そのグチを言っている脚本家の代表作はこう紹介されていた。

「全身全霊を捧げて将棋する人達の映画」

……!これってもしや……

検索すると、思った通り、自分が原作大好きで、でも映画が史上最高に出来悪い!と思った作品だった。

特に、まだ完結してない、からの映画オリジナル部分が最低だったやつ。

 

……いや、わかるよ、シロウトの自分だって、ああいう映画の展開が脚本家が全部考える訳ではないのくらい。

プロデューサーとか監督とかいろんな人が入って方向を決めるんだろうというのくらいは。

ましてや若手だし。

けどね、

「あの映画は絶対に許さない!」

と、いまでも思っているから!

そんな映画の脚本家が「ベテランがつまらない」と言ってもなー。

ちなみに他の作品も調べて、見たことあるものもあるけどさほど印象には残ってないかな。

うん、こちらも感情的になってると思う。

けれども!やっぱりあれを書いた脚本家‼︎、というだけでなんか許さんぞーとなっちゃうな。

ベテランに文句を言えるほど、あなたは面白い脚本を書けているんですか?と。

 

という事で、大変面白い業界話ではあったんだけど、なーんかモヤモヤしてしまったわ。

でも、「プロットを書いても企画が実現しないも全くお金が貰えない」とか、他のクリエイティブ業界と比べてもそれはないよーというブラックぶりが流石に呆れる。

最後にクドカンに「組合作りましょうよー」と言う声があったけど、結構これは本気なんだろうな。

フリーランスの集まりだからこそ、クドカンみたいな人気も知名度もある人か声をあげないと動かないのが現実だろうし。

確か前に渡辺えり子が劇作家協会か何かのの代表をしていて、みんなの立場を守るためにやってるって言ってたけど、映像の脚本家と合流とか出来ないのかしらね?それこそクドカンみたいに両方書く人も多いんだし。

 

さすがにクドカンか本業の業界なので、笑える話と本当の闇をチラッと見せてて、なかなか面白いゲストコーナーでした。

大変だなー。