「たまむすび」内の箱番組で「GIFT~未来への贈り物~」というのがあります。
週替わりでゲストが来て、自分の人生に影響を与えた作品を紹介するのです。
月曜はそのゲストの紹介、火〜金は毎日1作品づつ紹介するのが基本ですが、先日出た小林聡美がずっと井上陽介奥田民生の話をしてたみたいに割とフリー。
映画を紹介する人が多いかも。
で、今週ゲストはテレビプロデューサーの佐久間宣行氏。
エンタメの帝王の登場に、おっこれはこれはと聞いていた火曜、一つ目に紹介したのがよしながふみの「フラワー・オブ・ライフ」の第4巻だった。
あー、もうこの瞬間に佐久間さんとお友達になりたい!と思ってしまいました。
元々お笑い番組はあまり見ないので、佐久間さんがラジオを始めた時、「なんかで名前は見た事あるかな〜?」くらいでさほど興味はなかったのですが、初回から「面白い!」とネットで話題になっていて、まだ聴けるからとタイムフリーで視聴。そして欠かさず聴くようになってしまい、その流れで「ゴットタン」や「あちこちオードリー」を見るようになるという、まさかのプロデューサー目当て視聴(笑)
ちなみに、なんで佐久間さんを知ってたかというと、NHKで年明けにこれからのテレビについて語る特番を毎年やっていてそれに出てたからでした。テレ東社員だったけど(笑)
佐久間さんに興味が湧いた理由は、いわゆる「名物プロデューサー」なのに本人のアクが強くないところ。
ちょいちょい見かけるその手のテレビマンって良くも悪くもキャラが立っていて好き嫌いが分かれるタイプが多い。
それにこれまで出てきた人達はテレビ全盛期を通ってきてるから、ちょっと俺様パワハラ女性蔑視傾向が透けて見えたりするのもあんまり好きじゃなくて。
佐久間さんは46歳で、イケイケな感じの世代と割とフラットな世代の境目の人なのですが、ラジオにゲストにくる芸人さん達もみな揃って佐久間さんの温厚さの話をするんですよね。
本人の話でも、若い時はテレビ業界のそういう体質にかなり参ってた様子ですが、そこで「上になったら俺もやってやる!」じゃなく「俺はこういうのはやらないぞ」と思える人だから今があるんでしょうね。
あとは、あらゆるエンタメに通じている佐久間さんの好みが、自分の興味あるジャンルだと「わかるー!」と思えるので好意的になってしまいます。星野源好きとかね(笑)
あと小劇場系の話もうんうんと思って聴いてます。
そんな中、「大奥」や「きのう何食べた?」の話でよしながふみファンなのも知ってはいたのですが、今回影響を受けたものに上げていたのが「フラワー・オブ・ライフ」なのがグッと刺さってしまって。
自分が初めて読んだよしながふみ作品が「フラワー〜」で、まさにこれでどっぷりよしながふみにハマり「大奥」も読み始め、コミックスも全部買い、過去の同人誌まで漁ってしまったんですよー!
「フラワー〜」は1年1ヶ月遅れで高校に入学した春太郎とそのクラスメイトや家族の 1年間の物語。色々あるけれど、まあ普通の高校生活の青春のお話。
これがねー、刺さるんですよー。
大きい事件もあるにはあるけど、ちょっとした出来事もよくわかる。
本の貸し借りで友人の機嫌を損ねてしまっただろうかと悩むとか、うんうんて思います。
で、佐久間さんのあげたのは4巻の物語のクライマックスのエピソード。
春太郎が友人の翔太と一緒に漫画を描いてデビューを目指す。手応えはあったものの、いざ出した賞には 10年に1度の天才と言われる逸材が現れさらわれてしまう。
おちこむ春太郎に翔太が言う。
「僕らは天才になりたいんじゃない、漫画家になりたいんだ。残りの9年の間にも漫画家になる人はたくさんいる。僕らはその中に入ればいいんだよ。」と。
若手ADで悩んでいた佐久間さんにこの言葉がとても響いたそうで、これはすごくわかる。
どんな業界でも「天才」と呼ばれる人はいて、そういう人と比べて「自分は向いてない」と思い悩むことはある。
でも、天才だけでは世の中は成り立たないんだよね。それ以外の人にだって役割りはある。というより、役割が無くてはいけない、というのがそもそも違う。どんなだって「青春」を楽しんでいい。
「フラワー〜」はそういう事を色々考えさせてくれる。
もちろん「大奥」とかも大変面白いのだけれど、これを上げてくる佐久間さんにますます好意を持ってしまったわ。
同じ物を好きでいてくれる人は好きになるよねー。
毎週楽しみにラジオ聴いてますが、最近多いゲスト出演、その中でもこの番組はわくわくします。
残りの回、何を紹介してくれるか楽しみです。
そして「フラワー〜」読み直そう。
泣いちゃうかも(笑)