ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と」が最終回を迎えた。
金曜日放送ということもあって、ほぼリアタイで完走しました。
色々モヤることはあるし、あれこれ突っ込まれているけれど結構楽しめた好きなドラマでした。
電車が乗客ごと未来へタイムスリップして、そして帰ってくるというSF設定で、しかも何もない未来でサバイバル生活という展開なので、確かにSFドラマ、サバイバルドラマとしてはツッコミどころ満載でした。
ですが、極限に置かれた人間の成長を描くヒューマンドラマとして見たら中々良かったかと。
特に山田裕貴演じる萱島と赤楚衛二演じる白浜、上白石萌歌演じる畑野の三角関係〜??と思わせて結局バディ物だったところが面白かった。
いざという時に信じ合い支え合えるようになるのはなにも男女の恋愛だけではないというのが今どきだなぁと。
もちろんヒューマンドラマとしてもツッコミどころは多い。
特に、明らかに対立相手としてだけ出てきた6号車の面々の雑な扱いはどうなのかと。
ワームホールが出現し現代に帰れるかもとなった時、白浜なら6号車にも声をかけると思うんですよね。そういう人間として描かれていた。
途中6号車の殺伐ぶりに5号車に避難してきた人は描かれていたけど、どんな敵でもヤカラでも現代に戻れるかもとなったら対立は一旦停止では?
そしてなぜウエンツ他1名の6号車メンバーは5号車が帰れそうなことがわかったのか。
これも戻ってからのかき回し要因を仲間以外から出すためなのがすぐわかってしまう。
そもそも途中畑野が6号車のヤカラ連中に襲われたけれども、朝の通勤電車にヤカラが乗ってるのかとか、彼らが無理に取りにきたバッグはなんだったのかとか、展開のためのエピソードが丸見えなのはちょっと残念。
そもそも登場人物が多過ぎて描ききれてないし。
でもまあそのわりにメインキャラはわかりやすくて、なんと言っても古川琴音の玲奈が良かった。
ワガママ自分勝手の引っ掻き回し要員なのだけど、それをキュートに存在させていて、やな奴だけどドラマ見てる側が腹立たな過ぎないという絶妙さ。
やっぱりこれからは古川琴音の時代!
正直「ブギウギ」は古川琴音にやってほしかったー!
まあ、最後に妻帯者だった明石が妻と別れて交際スタートとハッピーエンドでしたが、妻としては突然行方不明になった夫を3年も待ったら女ができたから離婚してとかふざけんなよ展開ですけども。
そういう点でも人間関係描写がちょっと甘い。
あとはなんと言っても、プライム帯ドラマ初主演の山田裕貴!
上手い人なんだけど、雰囲気にクセがあってどちらかというとサブ向きかなと思ってましたが、充分主役としての存在感があって、一皮剥けたなあと。
インタビューによると、萱島か白浜かどちらの役をやるべきかをプロデューサーや脚本家とじっくり話し合ったそう。
それで納得なのが、実質白浜とのダブル主演になってしまっているんですよね。
ここはもっと萱島を深く掘り下げて、しっかり『山田裕貴主演』になるようにした方が良かったのでは?
萱島と白浜ならやっぱり萱島が主役のほうがドラマとして作り込みやすいし。
ただでさえ人数が多くて書き込みが上っ面だったのでもったいない。
絞ってほしかった。
上っ面といえばメインぽく出てて、さほど掘り下げも無かった高校生カップル。
いります?
まああれは、2人ともそれぞれの事務所の若手一押しであちこち押し込まれていて政治案件っぽいからなー。
そういうのが見えちゃうのもちょっと残念。
メインヒロインの上白石萌歌はこういう『真っ直ぐないい子』が本当に上手い。
玲奈にもちょいちょいキレられていたけど、畑野って真っ直ぐに綺麗事ばっか言って、実際にいたら結構イラつくキャラだよね(笑)
それをそう見せないのが萌歌ちゃんの強みですね。
ラスト、小惑星衝突が避けられたのかどうかをハッキリ描かなかったのが賛否分かれてますが、自分はあれでいい派です。
あくまでもヒューマンドラマで、そういう出来事に対して人々がどう動くかを描いているという意思表明と受け取りました。
なんだかんだアラはあれど、俳優も良かったし楽しめた。
人間が極限状態でゼロからどう関係を作ってどうぶつかってそして胸熱関係になっていくのか、まっすぐ描いて照れくさいくらいなのがよかったです。
お疲れ様でした。