温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「こっち向いてよ向井くん」 最終回 坂井戸さんとの関係がまだまだこれからでよかったね

性格も見た目も良く仕事もできるのになぜか10年彼女がいない向井くん。

今期のドラマで一番目が離せない主人公だったかもしれません。

そしてしみじみえぐられた…。

 

10年ぶりに再会した元カノ美和子と元サヤに収まって満足していた向井くんですが、結局淋しさ穴埋め要員でしかないという現実を突きつけられ関係は終わる。

そんな顛末をこれまでのように坂井戸さんに聞いてもらい、坂井戸さんの恋愛の終わりにも立ち会い、気づいたらふと見かけた虹の写真を撮って坂井戸さんに送ろうとしていた。

 

このくだり好きなんですよー。

初回で、元気くんがまみんを理解している様子を描くのに「虹の写真を送りたくなるけどまみんは喜ばないから送らない」って言ってた。

こういうちょっとしたいいことを共有したい相手という関係が、色々な関係のスタートなのかもね。

そして、坂井戸さんに虹の写真を送ろうとした自分に驚く向井くんの元にその虹の写真が坂井戸さんから届き、自分が坂井戸さんへどういう思いを持っているのかを自覚するという展開がリアルでいい。

 

自分にとっての坂井戸さんがどういう相手なのか、悩みに悩んで向井くんはつい好きだと言ってしまう。

そして2人の関係を「恋愛」とは全く思っていなかった坂井戸さんは戸惑うが、それでも向井くんとの時間が大切なのは事実ということを自分で理解し、そんな坂井戸さんに向井くんはやっと自分で理解した自分の気持ちを自分の言葉で坂井戸さんに伝えるところでこのドラマは終わる。

 

うんうん、いいラストだったー!

原作はまだ続いているそうだし、美和子とお別れしたところでドラマとしては坂井戸さんしか残っていないので、「えー?結局坂井戸さんとくっつくのー?安直!」と思っていたのだけど、そんな雑な展開にはならなくてよかった。

すみません、信じてなくて。

これはなんとなく生きてきた向井くんが、いろんな人にいろんな目に合わされて、そうしていくことで「自分が」「誰と」「どう関わっていきたいか」に気がつく物語だった。

 

坂井戸さんとの関係も「結婚を前提としての恋愛」というのではなく、今坂井戸さんと一緒にご飯食べていろんな話をすることが自分がしたいことで、それがこの先「恋愛」や「結婚」に発展するかはわからない。

そういう肩書きがなくても、今坂井戸さんといることが大事と気づけた向井くんは、世間がいう肩書きではない、自分の気持ちでしたいことをする自分にやっとなれた。

だからドラマはここで終わっていいのだ。

 

あーそれにしても、出てくる人出てくる人みんなそれぞれにこじらせててえぐられるドラマだったわー💦

いわゆる「いい夫、いい父親」に向かうのが当然と言う思い込みがあって、女性陣から呆れられる向井くんや元気くんもなかなかでしたが、女性陣も「世間一般の常識」を疑うという一歩は踏み出していても、またその先でこじらせている。

 

自分のモヤモヤを説明もせず、理解してくれない元気くんにイラつくまみんも、「お父さんが独身の人を『孤独で寂しい』と言った」のを見返すために逆張りしようとする美和子も、一見大人な恋愛巧者と見せかけて踏み込むのが怖いだけの坂井戸さんも、みんなみんなこじらせてる。

でも、はっきりと結論は出なくても、それぞれが「こうすればいいのでは?」という新たな一歩を踏み出すことができてよかったのではないでしょうか。

自分は向井くんのように、気づいたらあれ?というタイプなので毎週ズキズキ傷だらけでしたよ(笑)

 

若手の俳優陣がみんなとてもよくて、波瑠の前クールとのしっかりした演じ分けぶりと、赤楚くんのコメディアンぶりが特によかった。

考察ばやりでこういう企画だとそれだけで「失敗作」と書く叩き記事も見たけれど、それはドラマを見てないのがすぐわかる。

見た人にはきっと何かを思わせるいいドラマだったなーと思いました。