「さよならマエストロ〜父と私のアパッシオナート〜」、日曜劇場としては話題にもなっていませんが、ほぼリアタイして楽しんでいます。
父娘の断絶物ではありますが、殺伐とした内容が多い今期のドラマの中ではほのぼのとした空気と美しい風景が心地よく、なんといっても音楽が美しくていいんです。
当初から去年の「リバーサルオーケストラ」のパクリとツッコまれていて、正直自分も当初そう思っていたのですが、よくある不遜なマエストロキャラではなく、西島秀俊演じる父・俊平が音楽以外はポンコツな、いわゆる「音楽ばか」に描かれていて、それがほのぼの感のベースになっています。
昨今のドラマにしては珍しく、父娘の確執の原因が9話まで明かされず、そのため延々と娘に冷たい態度を取られ続けているのですが、それをいい感じに気にしない俊平がなんだかとても可愛らしく見えてきます。
そして、大学生になって本格的にドラマ仕事を稼働させた芦田愛菜ちゃんが、前作に続きほぼ笑わないというちょっともったいない使い方。
それでも、バイオリンの演奏シーンの本格的ぶりといいさすがだなぁと思わされます。
が、このドラマが始まる前の予告の時から衝撃だったのは、なんと愛菜ちゃんの役に子役がいること!
愛菜ちゃんの子役ですってー!?
ああ、もうそんなに時が流れてしまったのね…。
愛菜ちゃん演じる響は現在20歳、5年間俊平と断絶していたので、5年前の15歳当時のシーンは愛菜ちゃんが演じるのですが、それ以前の本当に子供のシーンは子役が入ってます。
それも幼児と小学生と2人。
あー、時を感じます。
そして、時を感じるといえば當間あみちゃんですよ。
昨年愛菜ちゃんと高校の同級生役をやっていましたが、今回は市役所勤めの愛菜ちゃんに対して女子高生役。
実年齢も下で、愛菜ちゃんのことを「憧れの先輩」と言ってました。
おおぅ…。
よその子が育つのは早いのぅ…(笑)
その當間あみちゃんは期待の若手ですが、本当にいいですね。
ものすごーい美人というわけでもスタイル抜群というのでもなく普通の女子高生という感じだし、まだそこまで演技が上手いっ!て訳でもないのに、とにかく人目を惹くというか、華があって、「あー、スターになるってこういう子なんだなぁ」と見るたびに思います。
目が離せません。
それからやっぱり西島秀俊は上手いなぁとしみじみしてしまいます。
基本的にあんまり役柄に合わせて見た目を変えるとかしない人ですけど、ちゃんといつも別の人なんですよね。
よしながふみがインタビューで
「西島さんは映画からきた映像の人なので佇まいが素晴らしい。内野さんは舞台の人なので動きがいい」
と言っていてすごくわかるなぁと思いました。
一つ一つのシーンが絵になるので、今回のマエストロぶりも目に楽しいです。
各回で誰もが聞いたことある名曲をテーマにエピソードを作っているので、次回最終回にどれだけの演奏が聴けるのか、今から楽しみです。
やっぱり音楽ドラマはいいですねー。