温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「ちむどんどん」〜第90話 これだけはさすがに不快!自分の中では完全終了。

炎上展開がすっかり日常化し、ネットニュースでもおそらくPVが稼げるのでしょう、否定記事ばかりの「ちむどんどん」。

自分は「うーん、ドラマとしての出来は最低」と思いつつもそのしょうもなさを笑えるくらいにはのんびり見てました。

ダメさがイラつくというよりはゆるすぎて。

しかし今週使ったエピソードはもう自分的には無しだなと思いました。

 

和彦の母重子との確執(なのか?)は三週間と予告されてましたし、先週の予告では暢子のウエディングドレス姿も映ってましたから、当然今週で確執終了、ラストはおそらく披露宴というのは分かってたわけです。

重子が暢子を認めないのは「朝ドラで正面きって描きづらい当時の沖縄人差別を反映させた」つもりなんだろうとは思いますが、そのわりにどこに招待されてものこのこと重子がやってきてドタバタコント落ちなのはやっぱり「ドラマ作りが下手」としか言えません。

本当に嫌ならこなきゃいい訳で、何で重子がわざわざ来たかと言うと「来ないとドラマが進まないから」という作り手の都合だけで、登場人物としての必然はありません。

こういうのが正に「ご都合展開」で、「ちむどんどん」はこの「ご都合展開」のみで進んでいるから、ドラマとして楽しみたいドラマ好きをイライラさせているんですよね。

自分も「朝ドラ」はちゃんと「ドラマ」として見たい派なのでこの下手くそなドラマ作りには言いたい事はたくさんあります。

でももうここまで多いと「その程度のドラマだから仕方ない」という気持ちの方が強くなっていちいちツッコむのもめんどくさくなってます。

 

しかし、90話で暢子に振られた智を無理矢理披露宴に出席させお祝いの言葉まで言わせる展開にはさすがにうんざり。

ネットでもめちゃくちゃ荒れてましたねー。

確かにあのスピーチで四角関係は解消めでたしめでたしになると思った制作陣のセンスの酷さと無神経さにはビックリなのですが、それよりなにより、智を騙す方法として歌子の病弱を使った事にものすごく腹が立ちました。

 

母や姉一家とは別に当日ひとりで沖縄から東京に行くので空港まで送って欲しいと智に頼む歌子。

智が迎えにくると具合の悪そうな歌子は「絶対行きたいから連れてって欲しい」と頼み、結局一緒に飛行機に乗りファンターナの前まで智は歌子を連れてきます。

そこで智が帰ろうとするとまた歌子はしゃがみこみ「中まで連れてって」。

そして沖縄県人会のメンバーが出てきて「往生際が悪い」と智は連れ込まれ、半年前に酷い振られ方をした女の披露宴に無理矢理出席させられ、さらにスピーチまでという地獄を味合わせられるわけです。

 

このドラマ、脚本家のインタビューで「結末を決めそこに合わせてエピソードを決めていく」という作り方をしてると明かされていて、なるほどだからこーんなご都合な展開なのね、と言うのがよくわかります。

今回腹が立つのは智を騙すのに歌子の病弱を歌子本人に利用させた事。

子供の頃から身体が弱く、ハタチを過ぎても外で働く事も出来ないほどの歌子。

調べても原因はわからず、だから改善も出来ない。

そんな歌子の病弱設定が、ご都合展開のためだけにあるのがマジで不愉快。

以前、母優子と歌子が初めて上京する口実が歌子を大きい病院で診てもらうという「今頃それ?」と言うもので、その時も「あー、このタイミングでこの2人を東京に来させたかっただけの病弱設定かー」ともやっとしました。

そしてその予想どおり歌子の頻繁な発熱は「原因不明」。

その後は良子が別居して教師を再開するときの娘の預かり先として都合よく使うため「病弱で働かなくて家にいる」を利用。

それもうんざり。

ですが今回ついに、あれだけ病弱なのを悔しがっていた歌子本人にその「病弱」を盾に仮病を使って智の優しさにつけ込ませた訳ですよ。

それはどうなの⁉︎

見ていて「だから体弱い人間に一人で遠出させるとかありえん」とは思ってもまさか仮病とは思わなかった。

それは最低限のマナーを守るだろうとここまできてもまだドラマ制作陣を信じてたんですね。

 

そもそも朝ドラでは病気の扱いはかなり気をつけると聞いたことがあります。

病院でみんなで見る事も多いので具体的な病名はなるべく避けるとか。

このご時世、コロナ後遺症で不具合を訴えても理解が得られないと悩む人も多いと聞きますが、こういう時に「原因不明の病弱」をこんな使い方する無神経さは、ドラマ作りが下手とかそう言う問題じゃなく、人間として下品としか言えない。

 

いつも聞くジェーン・スーの悩み相談で「罪悪感で他人をコントロールしようとする奴とは離れろ」という名言があって、今回歌子がやったのが正にこれ。

「病弱でかわいそうな私のお願いなんだから聞いてくれるよね、智ニーニー」な訳です。

全員人間としておかしい比嘉家の中では割とまともに描かれてきた歌子も結局これかー。

と言うかまださほど描かれてなかったからってだけでしたね。

きっとこの「病弱」を盾にとって智ニーニーを落とすのでしょう。

とにかく、この歌子の病弱利用で、自分の中でこの「ちむどんどん」は完全終了。

ここまでの一連の展開を「コメディ」と思って作っているなら(おそらくそうなんでしょう)センスが悪すぎる。

超駄作決定です。

あとは粛々と「舞いあがれ」を待ちましょう。

あちらも脚本体制に不安はありますが、福永遥なので楽しみです。