時政を追い出してついに武家のトップに立った義時。
表向きは落ち着いた日々が続きますが、不穏な空気はヒシヒシと満ちていく。
冒頭のサクッと長澤まさみが登場するサプライズ。歴史詳しい勢はその正体をあれこれ推理していて、そういうの楽しそうでいいなぁと羨ましく思う。
でも知らない人には知らない楽しさがあるもんね!(負け惜しみ)
すっかり闇落ちした義時は、実朝に圧をかける非情な顔を見せつつも、泰時の前ではくつろいでみせる。
そうそう、こういう描き方が三谷幸喜の凄さだよなぁと。
頼朝が死んでどんどんブラック義時へと変貌していきますが、それは黒か白かハッキリしたものではなく、迷いつつ行ったり来たりしている。
39話のメインは悩める実朝青年ですが、その実朝に時房がいった「気を許せるお相手はおありですか?」はそのまま義時にも向けられる言葉だ。
子供の頃からずっとずーっと思い続けてきた八重をやっと妻にすることができ、その正に恋女房の八重の前では本音を口にしていた。
しかし不慮の事故で八重を失い、次の妻の比奈はライバル一族の出。
今の義時が一番ゆるめる事ができるのは八重の息子である泰時の前だけ。しかしその泰時からは厳しい言葉も受ける。それは義時もわかっているけれど、それでもくつろげるのは泰時の前だけなのだ。
辛いなぁ。
泰時は母に似て穏やかで真っ直ぐな青年に育つ。従兄弟にあたる実朝も頼りにしている様子はずっと描かれてきた。
それを恋として描いていたとは全然気が付かなかった。三谷幸喜にやられたなぁ。
自分は詳しくないけど、有名だという実朝の歌からその展開へ持っていく想像力が素晴らしい。
二次創作脳とでも言うのか、物語の隙間を読み取ってふくらませるスキルというのはこういう歴史物になるととても生きるんだなぁと。
自分の意思とは関係なく進んでいく婚姻に戸惑うのはまだ若い実朝なら当然と思って見ていた。泰時に「妻はどういう人なのか?」と聞いたのも、自分とは違う望んでの婚姻について聞きたいだけかと。
だから歩き巫女の「お前ひとりの悩みではない。はるか昔から同じ事で悩んできた者がいる」という言葉も、いつの時代も政略結婚はあるよなぁと解釈していた。
もちろんそれでも間違ってないし話は通じるのだけど、それにさらに意味があったというのがなぁ、三谷幸喜にいつもやられる。
柿澤勇人が「三谷さんに新しい実朝像を作りたいと言われた」と言ってたのはこういうことなのね。
世の中の「クリエイター」と言われる人達も年齢を重ねる中で、新しい価値観を理解できず「古く」なっていく人がたくさんいて、自分の好きなクリエイターがそうやって「老害化」していくのを見るとツラい。
少なくとも三谷幸喜はその心配を全くさせないだけでファンとしてありがたい。
人間の変わらない普遍的なものを描きつつ、常に新しい視点が入っていく。
あんなとぼけたオッサンのくせにカッコいいなぁもう!
39話は「穏やかな一日」といいながらあちらこちらで揉め事の種に火がつき始めている。
人が死んでないだけだよね。ああ怖い。
ついには運命の子・公暁が登場。
先日の特番で小栗旬が「八幡宮で雪が降ってました」と言ってたよー💦
あ、特番も面白かったなぁ。
佐久間さんのラジオも聴いてたし、幸せなファンモードですね。
あと9話しかないとは。
色々辛い。けど見たい。