温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「エール」~第53回  あああ、そういうことの積み重ねがドラマの粗さになっていくんだけどな~

恩師、藤堂先生からの依頼で小学校の校歌の作曲をした裕一。
お披露目会に招待されたのをきっかけに音と娘の華と共に福島へ。

そして母からの誘いで数年ぶりに実家へと顔を出す。
帰るのを知らなかった父は驚き喜ぶが、すでに店は畳み弟の浩二は役場に勤めているという。
それでも久しぶりの帰省に元従業員や同級生、銀行の同僚など懐かしい顔が集まり宴会になる。そこへ仕事から浩二が帰ってくる。

 

あああ、う~ん、来たなぁ、来ましたね。
ダメな朝ドラお約束の「距離感無視瞬間移動」ですよ。

時間を追うとですね、校歌のお披露目会はまあ午前10時開始としましょう。ま、式典ってそんなものでしょう。子供たちが実際に歌ったり、えらいさんのご挨拶もあるとしたら少なくとも1時間は見ておきたい。
するとどう考えても実家に顔出すのは午後。そして母親しか帰省予定を知らず、父はサプライズに驚き喜び「よーし、宴会じゃ~!」となりました。
で、懐かしい面々が集まるわけですが、この人たちはどうやって集められたの???
前もってではなく急に決まった宴会ですよ。発起人の父はさっき裕一が帰ったのを知ったのだから。
元従業員や小学校の同級生はまあ近所に住んでるとして呼びにいったとしましょう。
では銀行の同僚は???
確か以前、裕一の実家と叔父の銀行では同じ福島県内と言っても移動に半日かかるくらい、離れている描写がありました。ということはさくっと呼びにいくというのは無理。
そして、宴会の最中の会話で銀行が閉められ今はみな他で働いているということを裕一が聞いたので、銀行に電話して誘ったのではない。そして、まだまだ個人宅にほいほい電話があるような時代でもない。
じゃあ、どうやって当日いきなり決まった宴会に誘ったのかしら?テレパシー??

 

別に揚げ足取りたいわけではないですよ。
けれどもね、時代物の朝ドラの時代感って、現代と違うところをいれこむところで出せるわけじゃないですか。で、その違いの大きいところが移動手段や連絡手段ですよね。
移動が大変で時間やお金がかかったり、なかなか連絡がつかずすれ違ったりがあるから、今では起きないようなエピソードが起きる。そういうのを大事にしてほしいんです。
朝ドラによってはお金がなくて貧乏なのになぜか長距離をほいほい移動していてなんだかなぁ?と思わせるものが時々あって、そういう朝ドラは結構な確率でだんだん描写が雑になって「あれれ~?」なドラマになっていくんです。
時代物じゃないけど、封印されかけている「まれ」では、貧乏だっていうのに石川と横浜を行ったり来たりで両方で仕事していて時間どうなってんだ?ってつっこみの嵐だったもの(笑)
別に完璧に正確にしろとかではなく、朝ドラは日常描写が大事だから、そういうとこ適当な脚本ってだんだんぼろが出てくるんですよね。

今回も実家と銀行、本来違う生活圏の登場人物のその後を福島だからまとめて見せとけー、ってご都合が見え見えなんだよねぇ💧

「エール」では、2人が結婚する前にも、音がどう見ても同じ日に朝豊橋にいて、午後早いうちには福島に来ていて「おいお~い」と思ったことがありました。
そう見えるってことは脚本や演出が細かいところに気を配ってないってことだし。

それ以外でもちょこちょこと「つじつま合ってないよね?」というところが出てきていたけど、どんどん雑になってくなぁ……。

せっかくの時代物なのだから、その時代の空気感をもっとちゃんと見せてほしいんですけどね。